脳神経系の発達
脳の完成までは長丁場
脳神経ネットワークの構築、すなわち発達は、出生直後から始まり、思春期終了の頃までプロセスが進行し、完成脳に至るとされています。15~16年かけて完成するという長丁場になります。
豊かな環境刺激が大事
より良い脳神経ネットワークの構築には、子どもに対する環境刺激が質・量の両面から十分であることが大事とされています。
たとえ話「母親の遺伝子から子どもの遺伝子へのメッセージ」
少しでも分かりやすく理解して戴くために用意しました。目標:健全な脳神経ネットワークの構築
〇脳神経系のてっぺんは前頭前野ですよ。前頭前野まで山道ができて、登山者(環境刺激)がたくさん来てくれるようになることが、あなたが文武両道の気はやさしくて力持ち、健全な精神と肉体の持ち主へと成長することなのよ!脳神経ネットワークを形成する神経回路
○登山口(脳神経系入口)からてっぺん(前頭前野)まで山道(ルート)とベースキャンプ(脳神経系部位)をつくり、さまざまで沢山の登山者(環境刺激)に来てもらって山道を踏み固めること、機能を使い込むことがポイントですよ。使いこなされて(=鍛えられて)こそ機能アップするから。
スケジュールがあります
○とはいっても、てっぺん(前頭前野)までの山道(ルート)やベースキャンプ(脳神経系部位)は一気には作れませんよ。スケジュール表を渡すから、これに沿って下さいね。
使われない神経回路は切り捨てられる(再生不可)
○毎日、さまざまでたくさんの登山者(環境刺激)に来てもらいなさい、期限までに登山者が少ない山道は不要な道とみなされて道が切り捨てられますよ(シナプス刈込み、臨界齢)。
豊かな環境刺激
○雨・風などいろいろな条件のときにも、毎日さまざまでたくさんの登山者(環境刺激)に来てもらいなさい。
○下山(出力)後に評価(報酬刺激入力)をもらってまた登山してもらうとより山道(ルート)もベースキャンプ(脳神経系部位良く鍛えられますよ。
エネルギー補給
○山(脳)を管理するにはたくさんのエネルギーを使うから、エネルギーの元となる食事をしっかり摂ってね!
健全な発達のために ※
子どもに豊かな環境刺激を!
脳神経系の発達プロセスは出生直後から始まります。健全な発達のためには豊かな環境刺激の中に子供を置くことが大事ということです。
主な環境刺激
主な環境刺激は、明・暗刺激、運動すなわち抗重力という環境刺激、五感に働きかける環境刺激です。
明・暗刺激
太陽の明・暗刺激 例:早起き、朝日を浴びさせる → 子どもの睡眠・覚醒リズムを太陽の明・暗リズムに同調させる
※人工の光(明刺激)は、子どもの睡眠中は避ける(理由:睡眠の質を下げることになり、成長ホルモン分泌に悪影響)
運動(抗重力)刺激
直立二足歩行、ハイハイを十分にさせる(目標に向かって進むハイハイ、上下肢協調歩行をたっぷり)
※睡眠・覚醒リズムの発達 → 抗重力筋の発達/ハイハイ・直立二足歩行 → 脳の発達
五感刺激
・自然環境からの刺激
・大人による多様な入力、多様な出力評価(報酬刺激入力)
〇(~4か月)単種感覚運動統合期/大人1人(母親)
〇(4か月~)多種感覚運動統合期/母親・父親・祖父母等の大人
※子どもの正面から見つめるようにすることも大事です。
ご注意
臨界齢がありますので、発達の時期を逃さないことが肝心で、気になること、気がかりなことがあるときは専門医(小児神経専門医)への相談がお勧めです。