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人類の特徴(1) – 直立二足歩行

直立二足歩行

熱帯雨林樹上から地上生活へ進出

img004 1400万年~1000万年前にアフリカで大きな地殻変動が起こり、熱帯雨林が消失するとい大きな環境変化があり、人類の祖先だけが地上(サバンナ)に進出した2-2-2とされています。地上には肉食の猛獣たちがウヨウヨいるのに、です。
実は、このことが人類が現生人類に至る進化に踏み出すことになったのです。

直立二足歩行の獲得

サバンナに進出後に人類の祖先は直立二足歩行という移動形式を獲得しました。これが人類の特徴となっていくのです。直立二足歩行は長距離を移動するにはエネルギー効率が良い歩行形式とされていますが、何故直立二足歩行を選択したのかについては学会レベルでの議論でいくつかの仮説が出されているところのようです。

直立二足歩行と出生時の脳

直立二足歩行を選択したことにより、人類は大きな問題に当たります。骨格上、産道を大きくとれなくなったのです。つまり、脳を成熟させて(脳を大きくして)産むことが出来なくなったのです。そこで、出産前の胎内にいるときに構築に必要な脳神経細胞はすべて揃えるものの脳神経系(脳神経ネットワーク)はほぼ作らず、脳を産道を通過できるくらいの大きさにして産むことを選択したのです。すなわち、人類は遺伝子に脳神経ネットワークの構築プログラムを書き込み、出生後そのプログラムと外部環境刺激を巧みに利用して、赤ちゃんの脳神経系を段階的に構築させる戦略をとったのです。
子どもの脳神経を健全に発達させるには子どもへの環境刺激が大事であるという理由は、人類の祖先が直立二足歩行を選択したことにあったのです。

直立二足歩行と脳神経系の発達

私達現生人類の直立二足歩行は背筋を伸ばして上下肢協調しています。これにより脳神経系の発達(脳神経ネットワークの構築)が促されることから、直立二足歩行が脳神経系の発達に大きな役割を果たしているとされています2-2-3。
また、赤ちゃんが手と足を協調させ移動するハイハイは直立二足歩行の種類の一つで、ハイハイは人類にしかできない特徴です。ハイハイと直立二足歩行のことを専門学会ではロコモーションと呼んでいます。脳神経系の発達(脳神経ネットワークの構築)のためには、正しい姿勢でハイハイや直立二足歩行を繰り返し行うことが大変重要だということになります。

(ご参考)眼であるものを見て、それを目標にハイハイや直立二足歩行で追っていく運動は、感覚運動統合機能の発達にとても良いことです2-2-9 、ハイハイや歩行に感覚系の働きが必要な運動を加えるとさらに効果的ということになります。

注:
2-2-9 瀬川昌也 東京家政大学附属臨床相談センター紀要 第11集 抜刷 2011年3月 19~20